■「そわそわします」と話す場面
石田広報がチームを思う気持ちは強い。それを表すエピソードの量もかなり多いため、どれを書けばいいか分からないほどだ。それほどに、選手個々へ、そしてチームへの想いは常に言葉や姿勢にあふれている。
たとえば、取材時にさまざまな場面で“アシスト”をしてくれることも数多い。
「〇〇はこんなこと言って悔しそうだったんですよね」
「そういえば、〇〇は(今度対戦するチームの)〇〇と仲がいいんですよね」
「〇〇が(チームメイトの)〇〇に“やっぱうまいなぁ”って驚いてましたよ」
メディアとしては、選手に話を聞く際にそうした材料があればありがたい。同時に、選手にとっては悔しさや驚きを再整理する機会にもなる。広報として選手の成長や露出を考えているからこそ、“ネタ”をタイミング良く示唆させてくれている。
そして、取材に対応する選手にも目を配る。選手の見え方に問題はないか、スポンサーやサポーターに失礼はないか――。
クラブの働き方改革もあってアウェイには帯同しない試合も出てきたが、自身が行かない試合には「そわそわします」と話す。文字通り24時間、チームを支え続け、そして、チームのために頭と体を動かしている。
(取材・文/中地拓也)
【その7「大黒将志コーチ」へ続く】