■現在の指導者は「育成型」2人

 年代別代表が育成の一環であるのは当然だ。だから、「ゲーム戦術」を駆使して結果を追い求めるよりも、選手本来のプレーをそのまま生かして戦ったほうが良いのは間違いない。それで勝てるのなら、それが理想だ。だが、それで試合に負けてしまって、ワールドカップを経験できなくなってしまったら元も子もないではないか。

 選手にアグレッシブさを植え付けて、「ゲーム戦術」も意識させて戦いに勝つことを優先させるような、そんな指導が必要なのではないだろうか?

 現在のU-20日本代表の監督は船越優蔵。U-17代表は廣山望。ともに、日本サッカー協会のコーチング・スタッフで、年代別代表のコーチや監督を歴任してきた指導者だ。つまり、経歴からいっても「勝負師型」ではなく「育成型」指導者なのだ。

 前回までは、U-17日本代表は長く森山佳郎が監督を務めていた。

 森山氏もユース年代の専門家だったが、JFAのコーチング・スタッフとなる前にはクラブ(サンフレッチェ広島)ユースの指導歴が長かった人物であり、U-17日本代表監督を辞した後は、J2ベガルタ仙台のトップチームの監督として戦っている。

 つまり、現在のJFAのコーチング・スタッフよりは、より「勝負師型」の指導者だったということになる。

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