■予想していなかった「ロングパス」
【9分のシャハブ・ザヘディのシュート場面】
左ストッパー(以後、SP)の志知孝明からFWシャハブ・ザヘディへロングパスが通る。ゴール左端にシュートが外れる。この場面は、浦和のセンターバック(以後、CB)2人が、志知がキックを蹴ってくるとは予想もしていなかった。
なおかつ、蹴られたときに、ダニーロ・ボザかマリウス・ホイブラーテンのどちらが相手FWにつくのかに迷いがあったので、2人はザヘディに置いていかれて、後追い状態になったのである。本来なら右CBのボザがマークしないとならないのだが、CBの2人はおそらくザヘディを見ていなかったのだろう。だから、フリーにさせたのである。得点が入らなくて、浦和に取っては救われた場面だった。
【14分の安藤智哉とチアゴ・サンタナのマッチアップの場面】
右サイドでボールを受けたチアゴ・サンタナにCBの安藤智哉がプレスにいく。安藤を振り切ってシュートを放つサンタナ。しかし、ゴールキーパー(以後、GK)の村上昌謙にセーブされる。
最後はサンタナにシュートを打たれた安藤だが、粘ってしつこく密着マークをしたので、サンタナが余裕をもってシュート体勢に入れなかった。したがって、シュートしたボールがGKのほぼ正面になってしまった。
ペナルティエリアの中だと、CBに背中を向けられてボールをキープされると、CBはファールになるかもしれないと考えて怖くなり、強くは行けない。しかし、安藤はサンタナに密着して厳しくプレッシャーをかけていたので、これくらいのディフェンスをされると、簡単には自由にプレーができない。
そうした中でも、振り切ってシュートにもっていったサンタナはレベルが高いと言えるだろう。
続いては、16分のサンタナのシュート場面を見ていこう。