■「ワーストではない」と語った監督の意図
さらに、コロンビア戦ではベンチ入りしなかったが、浜野まいかの離脱に伴って昨年のU-17ワールドカップで中心選手だった眞城美春も追加招集されている。眞城は相手の意表を突くパスを駆使できる天才的な素質を持った選手だ。
ニールセン監督が「ワーストではない」と語った意図は、監督にとっては今はまだ選手を固定したり、コンビネーションに磨きをかける時期ではなく、多くの選手を起用して、さまざまな組み合わせをテストする段階にあるからなのだろう。
フィリップ・トルシエは、かつて「ラボラトリー」という言葉を使った。そのため、試合としては意図が明確でないように見えたり、勝負に対する甘さがあるように見えるわけだが、それは監督としては“確信犯的に”そうしているわけだ。
そういう意識で試合を見ていた監督にとっては、拙攻を繰り返して最少得点に終わったことよりも、先発メンバーの故障という偶然も重なって、予定していた以上に長い時間、若手のプレーを見る時間が増えたことは“うれしい誤算”だったのかもしれない。