■「サイドの1対1だったら絶対負けない選手に」

「今、チームもリーグ戦を2連敗していて、流れが悪い中で、ダービーは大事な試合なので勝ちたかったんですけど。自分としてはアシストできたというのを1つプラスに捉えて、どんどんリーグ戦に絡んで、ああいうアシストだったり、今度は得点というのをどんどんしていきたいと思います」
そう悔しさを飲み込む小竹に「どういう選手になっていきたいか」と聞くと「やっぱり自分の武器はスピードなので。そのスピードを生かして、サイドの1対1だったら絶対負けない選手になりたい」と答えてくれた。3年ぶりのJ1で開幕2連勝を飾った清水だが、その後は苦しい試合が続いており、怪我人も出ている中で、ここからリーグ戦もミッドウィークの試合が入ってくるなど、チームの総合力が問われてくる。
 西原や嶋本はすでにリーグ戦にも絡んでいるが、縦のスピードという武器を持つ小竹が台頭してくれば、左中サイドのオプションとしても大きい。磐田戦ではその片鱗を見せるとはできたが、秋葉監督がリーグ戦でも信頼して送り出すにはさらなるパフォーマンスで示していく必要がありそうだ。
 記念するべきアシストとチームを勝利に導けず、逆転負けで敗退する結果となった悔しさ。小竹がここからいかなる成長曲線を描いていくにしても、忘れることができない経験になったことは間違いない。
(取材・文/河治良幸)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4