■「試合前に俺を見ろとは言われてた」

 それだけに、二度目のチャンスとなる磐田戦で、立ち上がりから前に行く姿勢が、幸先良いゴールに繋がったと言える。敵地のヤマハスタジアムに駆けつけた清水のゴール裏サポーターに、試合前から良い雰囲気を作ってもらったと感謝する小竹はアシストのシーンについて「(アフメドフから)試合前に俺を見ろとは言われてたんですけど、良い形で上げることができました」と語る。
「あのクロスを上げてから、自分自身、前に出ていくシーンが何回かあったので。ああいうところでもう1回決めきるだったり、クロスを上げきるところにもっとこだわっていきたいと思います」と小竹。清水としては1ー0にしたところから前半のうちに、チームとして畳み掛けていけなかったことが、後々に響くことになった。秋葉忠宏監督も「前半にもリードを広げるチャンスはいくつかありました」と口にするように、追加点を取るべきところで取りきれなかった。
 小竹に関して言えば、例えば前半18分のシーンがそうだ。上夷からのロングボールを小竹がヘッドで弾き返したところから、右サイドでボールを拾った中原を追い越しながらショートパスを受けると、チェックに来た金子をぶち抜いて、同サイドにスライドしていたリカルド・グラッサの内側から背後に抜け出した。そこから中央のアフメドフに再びクロスを上げようとするが、トップスピードの影響もあってか、うまく上げきれず弱いシュートのような弾道はGK三浦に抑えられた。

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