「増やしたい」荒木遼太郎らを組み込んだパターン、「柴崎岳ベンチ」が示す選手層、「優勝」のための課題【昨季王者・神戸に完勝「鬼木アントラーズ」はなぜ強い?】(3)の画像
ロングボールを巧みに使って、先制ゴールを奪った鬼木アントラーズ。今後、ベンチで控える前線の選手たちを組み込んで、攻撃のオプションを増やす必要があるだろう。撮影/原壮史(Sony α1使用)

 鬼木達監督を迎えた鹿島アントラーズが好調だ。開幕戦こそ落としたが、その後は白星を重ねて首位に立っている。前節のヴィッセル神戸戦では、その強さの理由が垣間見えた。昨季王者との対戦で見えた「鬼木アントラーズ」の現在地をサッカージャーナリスト後藤健生が探る。

■可能性を感じた「2つの決定機」

 だが、鹿島アントラーズはボールを奪ってからロングボールを蹴るだけではなかった。

 たとえば、前半の40分にレオ・セアラが放ったシュートが右サイドのゴールポストをかすめた決定機の場面だ。

 最初は、再びGKの早川友基が蹴ったロングボールを左タッチライン沿いで追ったチャヴリッチが収めたところから攻撃が始まった。左サイドで、チャヴリッチとサイドバックの安西幸輝、そして、2トップの一角ながら再三左サイドに顔を出す鈴木優磨の3人が絡んで、ワンタッチパスを回し始める。

 チャヴリッチが落としたボールを安西が鈴木につなぎ、鈴木が落としたボールをMFの舩橋佑がタッチライン沿いの鈴木に渡し、鈴木がポケットに入り込んだ安西にスルーパスを通し、安西の折り返しをレオ・セアラがダイレクトシュートしたのだ。

 チャヴリッチがボールを収めた瞬間から、たぶん7本のパスがつながった決定機だった。

 あるいは、26分にチャヴリッチのシュートがGK前川黛也の正面を衝いたチャンスの場面があった。

 ここでは、右サイドから左にパスをつないでサイドを変えてチャンスを作った。

 早いタイミングで右サイドに開いたところから始まった攻撃だ。

 右サイドハーフに入りながらも、場面によってポジションを変えて、攻撃に変化をつけ続けた小池龍太と、昨シーズン、その得点力で注目を集めたSBの濃野公人の2人がタッチライン沿いでパスを何本か交換してチャンスをうかがう。小池からトップから下りてきた鈴木にくさびのパスが入り、鈴木がMFの樋口雄太に落とし、樋口から左の舩橋、安西とつながり、最後は安西がチャヴリッチを使ってワンツーで抜け出して左からのクロスを、レオ・セアラが落としてチャヴリッチがシュートしたのだ。

 ここも、速いパスを使って相手守備を崩した場面だった。

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