■90分を通して「何度もあった」場面
鹿島アントラーズが神戸を破った第7節の試合を見ていて、感心したのは就任から数か月の鬼木監督がすでに、ボールを奪った後のプランを準備しつつあったことだ。
この鹿島対神戸の試合は、悪コンディションの中での試合だった。
前日は25度を超えるような春の暖かさだったのに、3月29日の関東地方は季節外れの寒さと風雨に見舞われた。
公式記録によれば、気温は8.0度となっているが、カシマサッカースタジアム独特の風もあり、寒さは一層、身に染みた。公式記録では「弱風」となっているが、神戸の吉田孝行監督が試合後の記者会見で「後半は追い風だったのである程度、持てた」と語ったように、風の影響も間違いなくあった。
そして、未明から降り続いていた雨のせいで、ピッチはかなりスリッピーな状態だった。試合開始時には雨は弱くなっており、試合中に止んだが、ピッチがスリッピーだったことに変わりはない。実際、両チームの選手がピッチに足を取られて転倒する場面が90分を通して何度もあった。