■渡邊凌磨「こういう試合展開が増えていく」
速い時間帯にリードを奪えば、堅実な試合運びを好むマチェイ・スコルジャ監督は守備も攻撃も、あまり無理をしない方にベクトルを向ける傾向にある。しかし、引きこもって守備を固めるだけでは、追加点を奪って、相手を仕留めることはできない。清水戦の2点目は浦和がここからもう1つ、強さを身に付けていくための成功体験になったはずだ。
渡邊は「どんな相手でも自分たちがボールを握れるようになれれば、こういう試合展開が増えていくと思う」と語った。
終盤には相手が前に人数をかけてくる中で、ビルドアップの連携ミスが出てコーナーを取られたところから後半34分に失点、そこから猛攻を受けて、同点にされてもおかしくないシーンが続く中で、何とか耐えて2−1の勝利につなげたが、この2点目で見せたようなポゼッションからの連動性のある崩しを90分の中で、もっと多く出せるようになれば、得点力が高まると同時に、もっと支配的に試合を進めることができるはず。そのために、どういうプロセスをとって行くべきなのか。そこを突き詰めるためのサンプルにして行くべき一連の流れだった。
(取材・文/河治良幸)