■イングランドから来た「30代の若者」

 そのリヴァイの情熱に打たれ、イングランドから1万3000キロもの旅をしてやってきてMISFのテクニカルディレクターとなったのが、ロイド・オウワーズという男だった。1989年生まれ、これも30代の若者だった。

 オウワーズはセミプロレベルでプレーをあきらめ、コーチの仕事に入った男だった。アメリカ、カナダ、スウェーデン、アメリカなどでコーチを務め、このころにはイングランドのオックスフォード・ユナイテッドでコーチの仕事をしていた。

 地球の反対側にいる2人の人間がある日突然出会うことも、今日的だ。あるオンラインのサッカーコーチングブログにオウワーズが投稿をしたことがあった。その投稿を読んだリヴァイがオウワーズに連絡してきたのである。互いの意見交換はメールのやりとりからWhatsAppとなり、「サッカー不毛の地」マーシャル諸島でどうサッカーを成長させていくか、熱い議論が続いた後、2022年末、オウワーズはマーシャル諸島に行くことを決断した。

 2023年の夏、オウワーズはロンドンからアメリカのシカゴ、そしてハワイのホノルルを経由し、40時間以上をかけてマジュロにやってきた。航空運賃は往復で200万円以上した。

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