■サッカー場が「なかった!」
もちろん、マーシャル諸島でもボールを蹴る少年少女はたくさんいる。しかし、長いアメリカ支配の影響で、人々の関心は野球やバスケットボールにあり、サッカーはマイナー競技に過ぎなかった。
そのうえにサッカー場がなかった。ようやくフルサイズのサッカーピッチができたのは2024年のことだったのである。首都マジュロのサンゴ礁の一部を埋め立て、140メートル×250メートルほどの土地を造成して、そこに野球場とともに2000人収容の陸上競技場をつくったのだ。ピッチは人工芝である。このかさ上げした土地は、防潮壁の役割も果たすという。
「マジュロ陸上競技場」と名づけられたこの競技場は、当初2022年にマーシャル諸島開催で予定されていた「ミクロネシア総合競技会」の主会場となるはずだった。建設費は600万ドル(約9億円)。台湾政府が援助した。
新型コロナウイルスで1年延期となり、さらにマジュロの競技場の完成が遅れたため、2024年6月開催となった。しかし、残念ながらサッカーは行われなかった。そのため、この大会で「デビュー」するはずだった「マーシャル諸島代表」は、実現しなかったのである。