■カタールW杯以来の課題
しかしカタールワールドカップではもう一つの課題も突きつけられていた。それはドイツに勝って臨んだ第2戦、コスタリカ戦。日本は防戦に回った初戦と違い、守りを固めた相手をいかに崩すかという展開になった。
コスタリカは初戦の4バックから5バックに変更。日本は4バックでスタートしたが、攻め手を増やすために後半から3バックにした。それでも効果が現れず、81分にクリアミスを拾われて決勝点を奪われてしまった。
サウジアラビア戦は失点こそなかったものの、展開としては約2年4カ月前のコスタリカ戦と同じだったのだ。あのときに見えた課題はそっくり再現された。
コスタリカ戦のボランチは遠藤航と守田英正だった。今回先発した田中碧、途中出場した旗手怜央がこの局面を切り抜けるアイデアを出していたら本大会も安心だったかもしれない。だが現状では、コスタリカと同じような戦術を取られたときに日本は苦しくなる。
もっとも、田中や旗手を責めるわけにはいかないだろう。2人とも出場時間が短いのだ。2024年に日本代表は15試合プレーしたが、その1350分の中で田中は440分、旗手は175分と、それぞれ33パーセント、13パーセントしか出場していない。理想はその中で自分の個性を発揮してくれることだが、これではコンビネーションが合わなくても仕方がないとも言える。