■「少なすぎた」決定機そのものの数
しかし、対戦相手がどれだけしっかりした守備網を敷いていたとしても、浦和はボールを握り続けていたのだから、その守備を崩さなくてはならなかった。
中央に分厚い守備網を敷かれた浦和。左右からクロスを上げても、武漢のDF陣には空中戦での強さもあり、また、浦和FWが飛び込んでいくスペースも消されてしまった。
浦和が2列目でボールを動かしても、相手DFはそれに釣られて飛び出してくることもなく、スペースは生まれない……。
後半の立ち上がりに、左から右サイドにパスをつなぎ、最後はオーバーラップしてきた遠藤がフリーになった場面が最初のビッグチャンスだったが、シュートはGKの正面。延長前半の105+1分には左でつないで、最後はボックス内で途中出場の藤崎智子が巻いたシュートでファーサイドを狙ったが、これは相手GKの好守でCKとなった。
しかし、あれだけボールを握って攻撃を続けた割には、決定機の数そのものが少なすぎた。
相手の守備は引いてくるので、DFラインの裏にはスペースが生まれない。前線の選手でつないだ中で2列目、3列目の選手が飛び出していくのも難しかったろうが、もう少し前線の選手が下がって、MFが飛び出していく動きは加えたかった。