■ドイツでは「パン1個」1兆マルク

 極端なインフレのことをハイパー・インフレーションと呼んでいます。

 有名なのは、第1次世界大戦直後のドイツです。フランスなどの戦勝国がドイツに対して巨額の賠償を求めてドイツ経済は破綻。急激なインフレーションによってパンが1個で1兆マルクといった事態になり、「100兆マルク」といった高額面紙幣も印刷されたそうです。

 第2次世界大戦直後のハンガリーでも、ハイパー・インフレーションが起こり、このときには「1垓ペンゲー」という紙幣が現われたそうで、これが人類史上最高額面紙幣だそうです(「垓」は万、億、兆、京の次の単位で、1垓は「1」の後に「0」が20個並びます)。
 ハイパー・インフレーションとして、第1次大戦直後のドイツと並んで有名なのが、アフリカ南部のジンバブエです。

 

(2)へ続く
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