■ここまでの枠組みや序列にいったん区切り
ただ、今回の切符獲得で、ここまでの枠組みや序列にいったん区切りがつけられるはず。もちろんW杯本大会抽選を有利にすべく、FIFAランキングのポイントを確実に稼いでいかなければならないため、そこまでガラッと全てを変えるわけにはいかないが、シャドウの組み合わせについてもより柔軟なトライができるのは間違いない。
南野は南野で好調だし、鎌田、久保のいずれともいい関係性を築いているが、30代を迎えた今、出ずっぱりというわけにもいかなくなるだろう。まだ20代同士の鎌田と久保というユニットを研ぎ澄ませ、プレー時間を多くしていくことは、チーム全体のマネージメントを考えても有効と言っていい。
今回の最終予選を通して言えることだが、鎌田と久保は揃って「日本代表のために」という自覚が強まっている。もともとは2人とも「自分の価値を上げたい」「自分が活躍したい」という思いが強く、時折、エゴが出てしまうところがあったが、そういう側面がいい意味で少なくなりつつある。
となれば、彼らがシャドウを組んでも守備のバランスを崩れることはないだろうし、より連携連動の向上や躍動感のアップが期待できる。中盤に下りてボールを出し入れできる鎌田と圧倒的な個の打開力のある久保がいい距離感でプレーできれば、バーレーン戦の先制点のようなシーンも生まれる。その回数や精度を引き上げることができれば、彼らに攻撃陣を託すこともできるだろう。