■現在は「公爵家の所有地の中」だけでプレー
しばらくすると、膨大な量の新聞の切り抜きなどを抱えて戻ってきました。「アニックFC」の自慢話が始まりました。
「今は北部リーグの2部にいるんだが、ケガ人が戻って来て今は絶好調。1部昇格もあるかも……。うちは全員が純粋なアマチュアで、選手は全員地元出身。皆、ハートのために戦っているんだ。そうそう、うちの本拠地はニューカッスルと同じく、セント・ジェームズ・パークって言うんだぜ」
じつは、ダーレンはこのクラブの事務局長だったのです。思いもかけず、偶然入った店でイングランドの地方のクラブの話がたっぷりと聞けました。
ダーレンの話は延々と続きそうですが、民俗フットボールの現場にも行かなくてはなりません。
「アニックFC」の話は途中で切り上げて、ダーレンに場所を聞いて、街の中心の広場にやって来ました。
すでに午後3時。イングランド北部の12月ですから、もう周囲は暗くなって広場の街灯がオレンジ色の光を放っていました。
かつては、この広場に面した城門の上からボールが投げ入れられて、フットボール、つまりボールの奪い合いが始まったそうですが、今は公爵家の所有地の中だけでプレーされるそうです。フットボールが行われるであろう草地では、羊たちが草を食んでいました。