■京都の3トップに対して事実上の5バック
今回、構成上は4ー2ー3ー1だが、守備では左サイドハーフの西原を下げ気味にして、左サイドバックの高木践が中に絞ることで、事実上の5バックにして京都の3トップに対応していた。高木に相手の出方に応じて4バックから5バックにしていたのかどうか聞くと「守備の時は5バックで守ることになっていました」と語り、試合前から設計していたことを明かしてくれた。
秋葉監督も「3トップが大外ではなく中央にいることが多い。4バックだと、サイドバックは中に絞らざるを得ませんし、2枚のセンターバックで相手の3トップを監視するわけにはいきません。加えて、京都さんのサイドバックは、大外を駆け上がって攻撃に参加することも特徴の1つです。そこに対抗する策として、西原をあの位置で起用しました」と振り返っており、西原の守備タスクに関しては及第点と見ているようだ。
この日の京都はサイドアタッカーのマルコ・トゥーリオも奥川雅也もおらず、代わりに、中盤で関わるのが得意な松田天馬が左サイドを担い、中央にラファエル・エリアス、右に原大智という構図だった。そうなると基本的に松田が1つ落ちたところでボールに関わる分、右センターバックの住吉ジェラニレショーンが浮いたような立ち位置になってしまい、松田に前を向いてボールを持たれるか、前に出て松田を捕まえにいけばもう一人の高橋祐治とのギャップが生じてしまう。
清水は5バックでありながら北川航也に加えてトップ下の乾貴士が左に周り、右の松崎快を合わせた3人が京都の最終ラインにプレッシャーをかけるため、5ー2ー3のような形になり、中盤の広大なエリアをボランチのマテウス・ブエノと宮本航汰の二枚でカバーしなければいけなかった。
そうなると京都の3ハーフの誰かしらが空くことになり、しかも左の松田が落ちて関わるので、ポゼッション志向のそれほど高くない京都に地上でボールを持たれる時間が長くなってしまう。そして原やエリアスにロングボールを蹴られた後のセカンドでも清水は不利だった。