■局面で中盤が難しくなった構図

 前半35分のPKを取られたシーンは京都のロングボールを処理した高木のマテウス・ブエノへのファーストパスが相手ボランチの米本拓司にカットされたショートカウンターだったが、そこからインサイドハーフの平戸太貴に侵入されて、最後はボックス内で受けた松田を高木がファウルで倒してしまうという現象だった。守備の仕組みが全ての原因ではないが、こうした局面で中盤が難しくなる構図は関係している。
 確かに原とエリアスに一発でやられない意図は理解できるが、2ボランチの外側から京都にグラウンダーで前進されるシーンが増えたこと、セカンドボールの奪い合いで不利になるシーンが多かったことは考える必要がある。さらに言えばドリブルの仕掛けなど、西原が攻撃面であまり特長を出せなかったというのは京都のストロングを意識した守備設計も影響しているはずだ。
 清水にとって1つ1つの球際のところで厳しい戦いになることが想定できた試合だが、京都対策がある種、裏目に出た部分は大きかった。
(取材・文/河治良幸)
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