■空洞化しない「Jリーグ」との違い

 日本はUー20ワールドカップでは3大会連続で決勝に進出しており、若い優秀な選手はたくさん育っている。しかし、彼女たちはWEリーグでプレーすることなく、あるいはほんの短期間プレーしただけで、次々と海外に旅立って行ってしまうのである。

 男子の場合も、女子以上に多くの選手が海外に出て行ってしまっているが、育成部門の努力によってさらに若い優秀な選手が次々と育ってきており、Jリーグの競技レベルは上がり続けており、Jリーグは空洞化せず、その観客動員力は着実に上がっている。

 女子の場合ももちろん、さらに若い世代の選手は育ってきてはいる。U-17やU-20ワールドカップでは日本は決勝の常連だ。だが、育ってくる選手の人数は男子に比べればまだまだ少ない。それだけに、選手の海外流出が国内リーグの空洞化につながり、観客動員に悪影響を及ぼしているように思える。

 もちろん、選手が海外でプレーすることによって経験値も上がり、女子代表の強化につながっているのは事実なので、海外流出の流れを止めるべきではないのだが、WEリーグの人気獲得にとって難しい条件であることは間違いない。

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