■シュート数「13本」対「4本」で圧倒も…
WEリーグという「プロリーグ」が開幕したことで、日本の女子サッカーのレベルが上がっていることは間違いない事実だ。とくにインテンシティ(プレーの強さや激しさ)は着実に上がっている。
女子サッカー界は、プロ化が進む前から「3強体制」が続いている。
日本の女子サッカーを長年引っ張ってきたのが日テレ・東京ベレーザだ。東京ヴェルディ(かつての読売サッカークラブ)の女子部門で、過去数十年にわたって数多くの女子サッカーの名手を育ててきた。現在の女子代表でも3分の2くらいは、ベレーザで育ったか、あるいは、かつてベレーザでプレーした経験を持つ。
そのベレーザとともに、ここ10年くらい、日本の女子サッカーを牽引する存在となっているのがINAC神戸レオネッサと三菱重工浦和レッズレディース。WEリーグ発足以後も、この「3強」がほぼタイトルを独占している。
だが、WEリーグ発足前と比べれば、とくにWEリーグの2年目以降は、その他のチームの競技力が上がって、「3強」も楽には勝てない状態になっている。
つまり、「3強」同士の切磋琢磨と、「3強」を追うチームの抵抗力の向上が、現在の日本の女子サッカーを支えており、その厳しいプロリーグで揉まれた選手が海外に渡ってより一層のレベルアップを果たすことで、日本の女子サッカーの競技力が維持されているのだ。
たとえば、2万人の観客を集めた広島での試合では、総合力で上回る浦和が優勢な展開が続き、シュート数でも浦和が13本対4本で圧倒した。しかし、結局、浦和は最後まで広島の分厚い守備を崩すことができず、試合はスコアレスドローに終わった。