
日本初の女子プロリーグであるWEリーグが再開され、先週末も各地で試合が行われた。熱戦が繰り広げられる一方で、リーグの「問題点」も浮かんできた。最新試合の「数字」を基に、サッカージャーナリスト後藤健生がWEリーグの未来のために、「やるべきこと」を提言する!
■WEリーグ人気「低迷」の原因
第13節で入場者数が最低だったのは、3月8日(土)に東京・味の素フィールド西が丘で行われた日テレ・東京ベレーザ対ノジマステラ神奈川相模原の試合。入場者数はわずか600人だった。
この日の関東地方は悪天候に見舞われ、夕方からは冷たい雨が降り出し、さらに試合の途中からは本格的な雪という最悪のコンディションだったのだが、それにしてもWEリーグ3強の一角のベレーザのホームゲームとしてはあまりに寂しい数字だ。
広島の2万人という数字が明るいニュースだったことは間違いないが、他の試合の数字を見ると、やはり「WEリーグは大丈夫なのか?」と心配になってしまう。
WEリーグ人気の低迷にはさまざまな原因があるだろうが、日本代表級の選手の多くが海外に移籍を果たしたことによって、空洞化が起きていることもその一つ。
新たにニルス・ニールセン監督を迎えた日本女子代表(なでしこジャパン)は、2月のシービリーブスカップでは3戦全勝で優勝。最終戦では女子サッカー界の絶対女王であるアメリカ代表にも2対1と勝利を飾った。日本にとって、アメリカ相手には史上2度目の勝利であり、内容的にも完勝だった。
そして、この結果を受けて先日発表されたFIFAのランキングで日本は5位に上がっている。
その女子代表でも、男子代表と同じように、代表選手の多くがヨーロッパやアメリカのクラブでプレーしている。最近では、20歳前後の若い選手が次々と海外クラブに渡ってしまう。