■2人補強のガンバ大阪は

 柏も直近8日の鹿島戦を1-3で落とし、リカルド・ロドリゲス監督も気持ちを入れ替えて広島戦に挑むはず。「今までの試合では我々は決定力の高さを表現することができていたが、今日はそこが表現できなかった」と指揮官も落胆していたが、逆に言えば、決定力が改善できれば十分に勝機を見出せるということだ。
 目下、柏の得点源は2点の垣田裕暉、1点の木下康介らだが、やはり細谷真大の復調は必須。この3人が2011年の北嶋秀朗(クリアソン新宿監督)、田中順也(岐阜アカデミーコーチ)、工藤壮人のように切磋琢磨し合いながらゴールを量産できれば、一気にACL圏内も狙えそうだ。
 その下のグループで目を引くのはガンバ。宇佐美貴史中谷進之介という攻守の要を欠く中、ヴェルディと清水エスパルスに連勝したのは大きなポイントだ。ヴェルディ戦前に満田誠を電撃補強できたプラス効果も大きいが、主軸の2人の穴をイッサム・ジェバリ、倉田秋山下諒也佐々木翔悟ら幅広いメンバーが埋め、チーム状態を上向かせている。
 そういう前向きな機運を作り出しているダニエル・ポヤトス監督の采配も光るものがある。この期間に選手層アップを図れれば、宇佐美や佐々木、新外国人助っ人のデニス・ヒュメットが加わった時により分厚い戦いのできる集団になるかもしれない。今後の動向から目が離せない。
(取材・文/元川悦子)
(後編へつづく)

(2)へ続く
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