■湘南は開幕時の勢いは低減も

 一方、湘南は2021年9月から指揮を執る山口智監督の目指すべき方向性がチーム全体に浸透。若く走力のある面々が最大限ピッチで戦術を体現している印象だ。2トップの鈴木章斗、福田翔生のアグレッシブさと献身性、中盤の小野瀬康介と平岡太陽の好調ぶりなどは特筆すべきものがある。
 ただ、横浜F・マリノス、FC東京との直近2戦を見る限りでは2トップのゴールがなく、開幕時の勢いが少しなくなってきている印象も否めない。若い選手たちにはどうしても好不調の波がある。そのあたりをどう埋めていくかが課題だろう。
「今は主力が揃っているからある程度の戦いはできるが、選手層が薄い分、ケガ人が出た時が問題」とチーム関係者も語っていて、このまま上位に居続けられる保証はない。特に30代の小野瀬がシーズン通してフル稼働できるとは考えにくいだけに、AFC・U-20アジアカップ帰りの石井久継や大卒3年目の高橋直也らバックアップ選手の底上げが重要になってきそうだ。
 3位グループの広島と柏は今後もある程度、上位を推移しそうな雰囲気がある。広島に関しては優勝候補筆頭だから当然ともいえるが、気掛かりなのは、ACL2準々決勝・セーラーズ戦の第1レグが没収試合になってしまったこと。12日のアウェー第2レグを主力で戦わなければならなくなったうえ。16日には柏との上位対決が控えている。ミヒャエル・スキッベ監督も選手のやりくりには頭が痛いところだろう。

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