■ボール保持率で劣ってもシュート数は圧倒

 長澤監督はRB大宮のサッカーを、「第3の立ち位置」と表現する。

「ボールを持ってポゼッションしまくるわけでなく、ドン引きしてカウンターを狙うわけでもない。我々はRBなので、ボールを奪いにいって必要なら早く攻めるし、必要ならしっかりボールを握る」

 熊本戦のボール支配率は、40パーセントを切った。60パーセント以上は相手に握られたわけだが、シュート数では14対3と圧倒している。ポゼッションに拘泥しない「第3の立ち位置」を体現するデータだ。4つの得点シーン以外にも決定機を作り出し、熊本にはほぼチャンスを与えていない。

 レッドブルグループの中核を成すRBライプツィヒは、高強度で縦に速いサッカーを特徴とする。現代サッカーのトレンドに即したもので、長澤監督も「相手が揃う前に得点を狙いにいくのは絶対条件」で、「ボールを奪って5秒後には相手ゴール前で数的優位を作れるかどうか」を、昨シーズンの就任当初から選手たちに問いかけてきた。「色々な考えかたがありますけれど、まずは最短距離で狙う」としている。それもまた、「第3の立ち位置」としてのスタンスだ。

 レッドブルのグローバルネットワーク入りしたことで注目を集めているが、RB大宮の開幕3連勝には確固とした根拠がある。そして、積み上げてきたものを戦いの土台とするチームは、勝つことで自信を深めている。

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