■鬼木監督も前向きの評価

 その9番は後半にも2発を叩き出し、ハットトリックを達成した。2点目は後半5分。柏の原田亘から高い位置でボールを奪った松村のドリブル突破に反応し、右足を合わせる形だった。
 そして3点目は後半17分。久保藤次郎に1点を返され、苦しい状況に追い込まれつつある中、樋口雄太のハイプレスから知念慶がボールをカット。樋口、小池龍太とつながり、小池のスルーパスをレオ・セアラが右足一閃。角度のないところから決めたのだ。
 この日の彼はひざに痛み止めの注射を打って強行出場しており、その状態でこれだけの華々しい結果を残したというから驚きだ。
「彼も気持ちが見える選手の1人で、そんなに多くのチャンスがあるわけではないですけど、決め切る力というのは改めて素晴らしいなと。ゴール前のところで入るべきポイントにしっかりと入れるようになってきたとも思います」
 鬼木監督も試合後の会見で前向きに評していたが、期待の外国人助っ人FWが地力を出せるようになってきたのは、本当にポジティブな材料。コンビを組む鈴木優磨も2人の関係性がかなりよくなってきたという感触を得ているという。
「彼の特徴もしっかりつかめてきたので、前よりやりやすさを感じてますし、守備でもすごい献身的なので。それに距離感もよくなっている。チームとしてもそうですけど、それが今の点を取れている要因だと思います」
 背番号40が言うように、小池龍太や松村優太らが的確なポジショニングで2人をサポートしていることもあり、強力2トップがお互いを生かし合う形が確立しつつある。

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