■勝利したのは「1試合」のみ
それでも、試合を重ね、ともにプレーする時間が長くなるとともに、選手間の連係は良くなってチームは出来上がりつつあった。そのあたりは、選手のテクニック的な能力、あるいは選手の戦術理解や判断能力の高さによるものだった。
だが、本来なら大会開催前にそうした組織作りは終えておきたいところ。合同トレーニングの時間が少ないという難しさはあるだろうが、大会への準備という意味で残念な面が多かった。
そして、せっかくピッチ内でコミュニケーションをとることで連係が良くなってきたと思っていたら、準決勝では先発メンバーが大きく変わってしまった。
組織が出来上がっている完成度の高いチームなら、メンバーが大きく変わっても問題なくプレーできるが、今大会の日本はレギュラー組でも組織に問題があった。
U-20日本代表は中国・深センで5試合を戦って、勝利したのは初戦のタイ戦のみ。合計1勝3分1敗と得点7、失点5という成績で日程を終了した。この成績でU-20ワールドカップ出場権をしっかりと手にしたのだから、幸運だったというしかない。
9月開幕のワールドカップまでに少しでもチームの完成度を上げ、選手層を厚くしていってほしい。そして、ワールドカップでは、しっかりと準備を行って上位進出を目指してほしいものである。