■「何度もあった」失点パターン
キックオフ直後に相手のパワーに圧倒されて失点するというのは、過去に何度もあった失点パターンだ。
日本の選手は一般的に俊敏性や持久力では優れているが、瞬発力やパワー系で劣る。
従って、試合開始直後の互いにフレッシュな状況では相手がパワー全開でしかけてくると圧倒されてしまうことがある。時間がたって、持久力の勝負になれば互角に戦えるが、とくにキックオフ直後は要注意なのだ。
今から20年ほど前には、このパターンでの失点が何度もあった。それで、日本サッカー共通の記憶として残っていたはずだった。ただ、最近は日本の強化が進んだため、あまりこうした失点がなかったので、若い選手たちの意識にはなかったのかもしれない。
イラン戦の失点場面。市原吏音から小倉につないだ場面を狙われたのだが、少なくとも開始直後で相手がプレッシャーをかけにきている時間帯では無理してつなぐのでなく、割り切って蹴っておくべきだったろう。(2)に続く。