
サッカーU-20日本代表が、U20アジアカップでベスト4へと進出、ワールドカップへの出場権を手にした。苦戦続きだったチームがアジア突破を果たした理由と、頂点へたどり着くために必要なことは何か。サッカージャーナリスト後藤健生が考察する。
■ボール保持率は「63.6%」
U-20日本代表はアジアカップ準々決勝でイランと対戦。1対1からPK戦に持ち込まれたものの、イラン選手のキック失敗にも助けられてベスト4進出とU-20ワールドカップ出場を決めた。
中東の古豪イランとの対戦は苦戦も予想された。
なにしろ、イランといえばあのジョホールバルでの対戦を含め、何度も激闘を繰り広げてきた古きライバルだ。それなりのテクニックとフィジカル的な強さとあわせ持つ個人能力の高さがイランのサッカー。「個人対個人の勝負に持ち込まれたら、シリア戦の二の舞も……」。そんな心配もあった。
だが、日本は前半の10分までと、延長後半を除いてイランの攻撃を封じ込め、強敵を圧倒した。
120分間を通じて日本のボール保持は63.6%。それも、後方でボールを持っていたのではない。ほとんどの時間、日本は相手陣内で積極的にボールを動かし続けたのだ。シュート数は日本の23に対して、イランは9。90分までの数字では日本の18に対してイランは6。枠内シュートでは、日本の11に対してイランはたったの1。つまり、あの先制ゴールの場面だけだったのだ。