
サッカー史に残る「一撃」となるかもしれない。サッカー日本代表でブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン所属の三笘薫がイングランド・プレミアリーグで決めたゴールのことだ。では、どんな点がすごいのか。そのすごさをサッカージャーナリスト大住良之が解き明かす!
■17歳で「代表デビュー」オランダの至宝
マルコ・ファンバステンの本名は「マルセル」だったが、「発音が難しい」と祖母が「マルコ」と呼ぶようになり、そのまま定着してしまったという。1964年10月31日にユトレヒトで3人兄弟の末っ子として生まれた。「ファンバステン」というと貴族のような名字だが、別に貴族ではない。父親は国内レベルのプロサッカー選手だった。マルコはサッカーに魅了されていたが、卓球やダイビングを楽しんだり、ピアノも弾いたという。
アムステルダムの名門アヤックスでプロになり、17歳でオランダ代表としてデビュー。そのキャリアのハイライトが、1988年の欧州選手権だった。同年代のルート・フリット、フランク・ライカールトとともに、オランダにこれまで唯一となるメジャータイトルをもたらした。ちなみに、この大会のときには、すでにファンバステンとフリットはACミラン(イタリア)においてチームメートであり、大会後の夏にはライカールトもACミランの一員となる。