
サッカー史に残る「一撃」となるかもしれない。サッカー日本代表でブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオン所属の三笘薫がイングランド・プレミアリーグで決めたゴールのことだ。では、どんな点がすごいのか。そのすごさをサッカージャーナリスト大住良之が解き明かす!
■三笘と同じ「天才」を感じさせた2人
サッカーでは、相手のロングパスをヘディングでクリアするDF、なかでもセンターバックたちは、この能力がよく鍛えられている。しかし、それは正面からのボールに対してである。全力疾走しながら背後から飛んでくるボールをワンタッチでコントロールするプレーなど、誰にでもできるというものではない。
長い取材生活のなかで、こうした点で「天才」と感じた選手が2人いる。ひとりはアルジェリア代表のFWラバー・マジェールであり、もうひとりはオランダ代表FWマルコ・ファンバステンだ。
マジェールについては、1987年、あの「雪のトヨタカップ」で決勝点を取った選手と記憶している古いファンもいるかもしれない。彼は1958年12月15日にアルジェリアの首都アルジェで花屋を営む父親をもって生まれ、父の影響でサッカーのとりこになった。男6人、女5人の兄弟姉妹がいて、兄のモハメドは彼より才能のある選手だったというが、プロ選手にはならなかった。ラバーは最初GKだったが、後にFWとなった。