
今年に入り、AFCチャンピオンズリーグで日本勢が好調を維持している。日本のファンにとっては喜ばしいことだが、一方で大会の方式などには疑問点も残る。サッカージャーナリスト後藤健生が、ACLに鋭い目を向ける。
■著しく公平性に欠けた「対戦方式」
ヨーロッパのチャンピオンズリーグは、アジア以上に極端だ。
リーグ・フェーズには32ものチームが参加。その中から、8チームと1試合ずつ対戦して、勝点で順位を決定。上位8チームがラウンド16に進出。9位から24位のチームがさらにプレーオフを行って、勝利した8チームがラウンド16に進む。
しかし、チームによって対戦相手が違うのだから、著しく公平性に欠けてしまう。
ACLEのレギュレーションも同じことだ。8試合を終えて順位を決定するのだが、それぞれ対戦相手が違うのだから公平とは言いがたい。
リーグ・フェーズ(ステージ)方式だと、最初からビッグクラブ同士の対戦が多くみられるのがメリットのようだが、一方でスポーツ的な公平性は著しく欠けてしまう。
まあ、そもそもがチャンピオンズリーグというのは最終的にはラウンド16以降はノックアウト方式でチャンピオンを決める大会だから、「リーグ」というよりも運、不運が作用するカップ戦なのだ(1980年代までのチャンピオンズカップ時代は1回戦から決勝まですべてノックアウト方式だった)。
だから、「チャンピオンズリーグというのはカップ戦である」、あるいは「単なるエンターテインメントに過ぎない」と思えば、リーグ・フェーズ方式はそれなりに面白いのかもしれない。真の最強チームを決めるなら、やはり総当たりのリーグ戦方式を採用するしかない。