■監督同士の「過去の対戦」に注目

 湘南と川崎では、クラブの規模で大きな差があるが、湘南を率いる山口監督は、戦略で互角の戦いに持ち込んできた。2021年の就任以降、鬼木監督率いる川崎相手に2勝2分3敗。クラブ規模を考えれば、大健闘と言っていい。しかも、川崎が最終節まで優勝を争った2022年には、シーズンダブルを食らわせているのだ。

 山口監督が率いて5シーズン目と継続性のある湘南に対し、鹿島は鬼木監督が指揮を執ってから、日が浅い。指導力に疑いなしとはいえ、まだ時間が必要なことはプレシーズンマッチの水戸ホーリーホック戦からも明らかだ。監督同士の相性、チームとともにしてきた時間の量を考えれば、投票率16%であろうとも、湘南の勝利を選ぶことに迷いはない。

 同じく監督の相性が影響しそうな投票率に差があるカードが、横浜FCFC東京の顔合わせだ。

 このカードでもFC東京の勝利を予想する声が60%と、首都のビッグクラブに大きく傾いている。確かに、昇格組が不利にみえるが、この偏りにも疑問が湧いてくる。

 湘南と鹿島の対戦の図式が、ここでも当てはまる。まずは監督同士の相性。横浜FCを率いる四方田修平監督とFC東京の松橋力蔵監督は、すでに対戦している。ともにJ1昇格を果たした2023年、J2で対戦しているのだ。

 当時、松橋監督はアルビレックス新潟を率いてJ2優勝を果たしたが、そのチームを相手に1勝1敗と互角の戦いを演じたのが、四方田監督が指揮を執る横浜FCだった。そして、FC東京も松橋監督が就任したばかりと、やはり戦い方の浸透には、まだ時間が足りないはずだ。

 ただ、横浜FCが勝つとまでは言い切れない。昨季J2最少失点に抑えた横浜FCの力を鑑み、ドロー決着を予想する。

 後編では、J1初昇格のファジアーノ岡山、そして、ついに帰ってきた清水エスパルスなどをクローズアップする。(2)に続く。

(2)へ続く
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