■入場者数は「Jリーグ」以上、放映権収入は

「2部」といっても、世界最高峰の「プレミアリーグ」に直結するリーグである。2023/24シーズンの1試合平均入場者数は2万3048人と、Jリーグ(J1=2024年で2万355人)を大きく上回っている。放映権収入がプレミアリーグとは比較できないほど少ないので年間収益も大きくはないが、それでも24クラブの平均で60億円近くになり、公表されている2022/23シーズンのデータでは、首位のノーリッジ・シティが140億円を記録している。

 日本選手にとって魅力なのは、彼らの多くが目指す「プレミアリーグ」に直結していることだろう。田中のようにクラブとして昇格できれば、自動的にプレミアリーグでのプレーが可能になるし、そうでなくてもプレミアリーグのクラブにとって日常的に目に入りやすいのが「チャンピオンシップ」なのだ。

 さて、初瀬の移籍先「シェフィールド・ウェンズデイ」である。世界に何万というサッカークラブがあるが、「水曜日」という名前のチームはこれひとつではないか。

 昔『ビッグ・ウェンズデー』というアメリカ映画があった。サーフィンに生きる青年たちを描いたものだったが、「水曜日にとてつもなく大きな波がやってくる」という伝説を信じて待つという話だったと思うが、初瀬が移籍したシェフィールドの「ウェンズデイ」も、なかなか「ビッグ」なクラブなのである。

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