
サッカーは無数のディテール(詳細)であふれている。サッカージャーナリスト大住良之による、重箱の隅をつつくような「超マニアックコラム」。今回は、ヴィッセル神戸の「不動の左サイドバック」が新天地に選んだイングランド名門の「知られざる一面」——。
■チャンピオンシップで「日本人」が活躍
ちょっとした「チャンピオンシップ・ブーム」である。
Jリーグ王者であり、天皇杯と合わせて「2冠」チームであるヴィッセル神戸の不動の左サイドバックだった初瀬亮(27歳)が、シーズン入り直前にイングランドEFLチャンピオンシップの「シェフィールド・ウェンズデイFC」に移籍した。
「EFLチャンピオンシップ」はイングランドの「プレミアリーグ」の下に位置するリーグ、すなわち2部リーグである。少し前までは、このリーグのクラブに所属する日本人選手は多くはなかったが、昨年夏、サンフレッチェ広島からFW大橋祐紀が移籍して、いきなり活躍、脚光を浴びるようになった。
今季開幕後の8月末には日本代表MF田中碧がドイツのデュッセルドルフからリーズ・ユナイテッドに移籍、徐々に力を発揮して、現在では首位を快走し、来季のプレミアリーグ昇格が有力視されているチームに欠くことのできない存在になり、高い評価を得ている。
彼らに加え、日本代表DF橋岡大樹(ルートン)、2024年パリ五輪代表のMF斉藤光毅(クインズパーク・レンジャーズ)、同FW平河悠(ブリストル・シティ)、MF坂本達裕(コベントリー)など、中堅、若手が入り交じり、「チャンピオンシップ」の試合で日本人選手の活躍を見るのは日常となった。