「昨季19ゴールで得点王争い」新背番号9よりも新戦力感があった「トルガイと攻撃を組み立てる」U-20日本代表MF【Jリーグ開幕直前、2つのカップ戦から見えた「2025新シーズン」の行方】(3)の画像
チーム最多となる4本のシュートを放つも、広島での初ゴールはお預けとなったジャーメイン良。期待の新背番号9よりも、輝きを放った18歳の若武者がいた。撮影/渡辺航滋(Sony α‐1)

 2月14日に迫ったJリーグ開幕を前に、先週末2つのカップ戦が行われた。その2試合からサッカージャーナリストの後藤健生が、試合に臨んだ4チームの現状からJリーグの今後まで、ズバリ占う!

■得点王争い「日本人トップタイ」の3位

 ジャーメイン良は、昨シーズンはジュビロ磐田で得点力を爆発させた。途中、負傷でチームを離れる時期もありながら、19ゴールを決めて、得点王争いでは日本人トップタイの3位に入った。

 一方、広島では昨年新たに加わった大橋祐紀が11ゴールを決めながら、夏にイングランド、EFLチャンピオンシップのブラックバーン・ローヴァーズに移籍してしまった。どこからでも点が取れるサンフレッチェ広島ではあるが、やはりチーム内得点王がいなくなってしまった影響は大きかったことだろう。リーグ戦の終盤で足踏みが続いていた頃、スキッベ監督が「大橋の不在が痛かった」といった趣旨の発言をしたこともある。

 その大橋の代わりを任されるのが、ジャーメインである。

 背番号9を背負って、最前線に位置を取ったジャーメインはヴィッセル神戸戦で90分プレーした。CFは一般的に途中で交代することが多いが、チームに慣れさせるために、あえてフル出場させたのだろう。

その90分間で、ジャーメインはチーム内最多の4本のシュートを撃ち、ポストプレーもこなしていた。だが、決定機と言えそうな場面はなかった。

 前半の終盤に中野のロングスローからヘディングシュートを放った場面(GKの正面)、あるいは56分にカウンターからトルガイ・アルスランのパスに合わせて抜けだした場面(シュートはポスト脇を外れる)、さらに62分に左からクロスを入れた場面などが印象に残るだけだ。

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