■一番「新戦力感」が高かった18歳
つまり、ジャーメインは、まだチームに溶け切っているとは言えないようだ。
ただ、広島は完成度が高いチームなので、自分に与えられた役割が理解しやすいのは間違いない。実戦をこなしていけば、ジャーメインは得点力を発揮できるようになるだろう。昨年、やはり新戦力だった大橋がたちまちチームに溶け込んで開幕戦で2ゴールを決めたのと同じように、ジャーメインが早くうまく融合できればいいのだが……。
広島の中で一番、“新戦力感”が高かったのは、MFの中島洋太朗(18)だった。
「いや、中島は新戦力ではないだろう」というツッコミが聞えてくるが、だから“感”なのだ。
中島は試合の序盤から長いパスを効果的に使って広島の攻撃を動かした。後半に入っても、53分にはハーフライン付近から右タッチライン沿いにいた中野就斗にダイアゴナル・パスを送ってチャンスを作り、62分にもドリブルから左サイドでフリーのジャーメインにパスを出し、ジャーメインのクロスに中野が飛び込むチャンスを演出した。
ああいう長いパスやスルーパスは、もちろん昨年から再三見せていたが、この神戸戦ではそういう質の高いプレーの頻度と効果が格段に上がったように見えた。
それは、試合全体の動きが見えるようになったからではないだろうか。