「2冠王者」神戸に完勝、「ベストメンバー」広島スキッベ監督と「主力温存」吉田監督の考え方の違いが「差」に【Jリーグ開幕直前、2つのカップ戦から見えた「2025新シーズン」の行方】(2)の画像
まずは1つ目のタイトルを手にしたサンフレッチェ広島。リーグ戦でも好調を維持し続けることはできるのか。撮影/渡辺航滋(Sony α‐1使用)

 2月14日に迫ったJリーグ開幕を前に、先週末2つのカップ戦が行われた。その2試合からサッカージャーナリストの後藤健生が、試合に臨んだ4チームの現状からJリーグの今後まで、ズバリ占う!

■あえて「ベストメンバー」を送り出す

 ちばぎんカップの前日には、第32回FUJIFILM SUPER CUPが行われ、昨年J1リーグ準優勝のサンフレッチェ広島が、2冠王者のヴィッセル神戸に2対0で完勝して、完成度の高さを見せつけた。

 東京・国立競技場に大会史上最多となる5万3343人という大観衆を集めた準公式戦ではあるが、チームにとってはリーグ開幕まで1週間のプレシーズンマッチの一つである。それぞれの監督の考え方を反映して、それぞれのやり方で戦ったのは、ちばぎんカップと同じである。

 広島のミヒャエル・スキッベ監督は、ベストメンバーに近いチームをピッチに送り込み、一方、神戸の吉田孝行監督は武藤嘉紀大迫勇也酒井高徳といった主力を温存してスタートした。

 神戸は中3日でAFCチャンピオンズリーグ(AFC)エリートの上海海港戦を控えているからであるが、一方の広島も木曜日にはACL2のナムディン戦がある。ナムディン戦まで中5日あるとはいえ、こちらはアウェーゲーム。ベトナム北部ナムディンまでの長距離移動があるのだ。

 しかし、スキッベ監督はそれでもあえてベストメンバーを送り出した。

 これは、両監督の対照的な考え方の違いである。

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