■濃野公人と安西幸輝の高さも特徴

 攻撃の組み立ての際、濃野公人、安西幸輝の両SBが高い位置を取るのも今季の特徴。「昨年よりもスタートポジションが高い。タロウ(荒木)が内に入って僕が外を取るのがオーソドックスな形。そこから外と中の使い分けを言われています」と濃野も説明していたが、その分、相手も空いたスペースを狙うに違いない。それで失点数が増えたら元も子もないのだ。
 2024年の鹿島の総失点は41。上位5チームの中では広島の43に次いで多かった。その広島が総得点72なのに対し、鹿島は60。つまり、前線と同水準の守りを維持したとして、得点数は15点くらいは引き上げないと、タイトルには手が届かないということになってしまう。
 ヴィッセル神戸や町田ゼルビア、ガンバ大阪が揃って総失点34~36だったことを踏まえると、やはり前年並みでいいとは言えない。水戸戦の失点シーンのような場面を作っていたら、その数字には到底、辿り着けない。
 どうしても今季鹿島は豪華攻撃陣にばかり目が行きがちだが、堅守の伝統を忘れてはいけない。ハイプレスに行くところと低い位置でブロックを作るところのメリハリをハッキリさせる作業も残り2週間で確実に遂行しなければならない。

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