【2025年J2「開幕前診断」V・ファーレン長崎編】山形からJ2屈指の守護神を獲得、横浜F・マリノスからはブラジル人CBを補強で失点数減へ【戸塚啓のJ2のミカタ】(1)の画像
横浜F・Mから加入したブラジル人CBエドゥアルド  撮影/原壮史

■長崎はJ1自動昇格の有力候補

 今シーズンのJ2リーグには、「戦国J2」との表現がふさわしい。J1で長く戦ってきた北海道コンサドーレ札幌、J1でも中位に食い込む予算規模を持つジュビロ磐田レッドブルグループの傘下となったRB大宮アルディージャらが加わり、J1経験クラブは昨年よりも2つ増えて「11」を数える。リーグの半分以上だ。J1から即戦力を獲得したクラブ、J2クラブ間の移籍も活発で、各チームの実力を比較するのは難しい。はっきりしているのは、混戦必至のリーグとなることだ。

 リーグ戦のレギュレーションに変更はなく、上位2チームがJ1に自動昇格し、3位から6位までがJ1昇格プレーオフに挑む。下位3チームはJ3へ自動降格となる。

 ここではJ1昇格を明確なターゲットとし、かつそのために必要な戦力を揃えたチームを紹介していく。第1回はV・ファーレン長崎だ。下平隆宏監督のチームは外国人選手の質と量が群を抜いており、J2屈指の攻撃力を備える。

 昨シーズンは2位の横浜FCに勝点1差で及ばす、3位でJ1昇格プレーオフにまわった。ここで6位のベガルタ仙台に完敗し、2度目のJ1昇格を逃している。

 今シーズンは下平隆宏監督が就任2年目で、すてにチームのベースは固まっている。保有戦力の充実度も踏まえると、J1自動昇格の本命と言っていいだろう。

 GKには後藤雅明を迎えた。22年からモンテディオ山形のゴールマウスに立ってきたこの30歳は、J2屈指の守護神と言っていいだろう。191センチのサイズを生かしてエアバトルで主導権を握りつつ、至近距離からのシュートにも俊敏に反応する。

 ビルドアップへの参加もスムーズだ。勝点を運んでくれるGKである。昨シーズンまでの長崎は爆発的な攻撃力が最大のストロングポイントだったが、後藤の加入でリーグ6位だった失点数も減らすことができるだろう。

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