【川崎が迎えた新たな専門家。樋口創太郎コンディショニングコーチの役割とは(1)】川崎に新設された立場で挑む「メディカル的な言語とテクニカルサイドの言語を、その間で通訳するような立場」の画像
川崎フロンターレのランニングの先頭を走る樋口創太郎コンディショニングコーチ 撮影:中地拓也

 2025年の川崎フロンターレは、ランニングの際にその先頭を走る人物が新たになった。1月7日の始動日から、選手の前に立って風を切って走っているのは樋口創太郎コンディショニングコーチである。長谷部茂利監督や中嶋円野コーチとともにアビスパ福岡から川崎入りした。

 樋口氏の肩書は「コンディショニングコーチ」であり、2024年までの川崎にはなかったポジションだ。その代わりに「フィジカルコーチ」という肩書を持つスタッフが25年からはいなくなったが、どちらもフィジカルの専門家。今季は松本圭介アシスタントコンディショニングコーチとともに、選手を支えていくことになる。
 そこで気になるのが、フィジカルコーチとコンディショニングコーチにはどのような違いがあるのか。その名称だけでは分からないことも多いため、沖縄キャンプの間に樋口コンディショニングコーチに2度の時間をもらってさまざまに質問をした。
 まず知りたかったのが、フィジカルコーチとコンディショニングコーチの違いだ。率直に聞いてみたところ、「フィジカルコーチとコンディショニングコーチがJリーグに2つある中で、何が違うかっていうと、みなさんが想像する業務範囲としては、差はないと思います」と、“大枠”の説明をする。
 ただし、「より予防(を意識したり)とか、怪我をしない体のために、(その中で)よりたくましく強くするっていう概念の中で“役割”って何だろうと考えたときに、フィジカルコーチよりもコンディショニングコーチという言葉を選びました」という。
 そして、「自分が大事にしているのは」と前置きして話すのは、“通訳”もする立場であることだという。
「チームのトレーナーという役職の方がいて、当然、監督やテクニカルスタッフという方々がいる。僕はその間に入って、いわゆるメディカル的な言語とテクニカルサイドの言語を、その間で通訳するような立場が一番自分には必要なことだと思ってます」
 樋口氏はさらに、「僕がなぜコンディショニングコーチと名乗ってるかという背景には、元々、アスレチックトレーナーで11年やっていたことがあります」と説明するように、これまで積み重ねた経験などに触れる必要がある。

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