■「メディカル的な会話は得意となる」

 長野での2年間の積み重ねを経て、2018年からはJ2水戸ホーリーホックのコンディショニングコーチに就く。
 プロ男子チームとしては初めてだったが、すでに2年間の経験がある。女子と男子ではフィジカルレベルが違うからこそ、「(選手が)うまくいかなかったことを、よりうまくいくようにこちらが提案するというプラスアルファの役割は、今振り返ればありました」と話す。
 そして、水戸の地で出会ったのが長谷部茂利監督だった。“タッグ”を組んで川崎は3チーム目となるだけに、指揮官へのリスペクトは強い。
「僕にとっては仕事の上での父親です。サッカーのことはもちろんですけど、この業界のプロフェッショナルとしてどうあるべきかですとか、人としてどうやって年を重ねていくべきか、人とどうやって関わっていくべきかをすべて教えていただきました。
 12歳の差があるんですけど、最初、自分が12年後にこうなれればいいな、こういうふうにならなきゃって思ってましたけど、出会ってからの数か月で、“この方にはなれないな”って思いました。逆に自分には自分にしかないものがあるよなっていうことを探すようにはなりましたね」
 それから8年間を過ごす関係は、こうして始まった。
(取材・文/中地拓也)
(後編へ続く)

(2)へ続く
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