かつては日本で、最近はUAEやモロッコなどで開催されたクラブ・ワールドカップ。各大陸の王者など7チームが参加していたが、今年は世界の強豪32チームが参加する大会へと、大きく変貌を遂げた。レアル・マドリードやマンチェスター・シティ、日本からは浦和レッズなど、世界中からビッグクラブが集まる楽しみな大会であるが、「かなりの無理や矛盾を感じる」と、警鐘を鳴らすのは、サッカージャーナリスト後藤健生。どういうことなのか?
さて、「マンチェスター・シティが優勝したとしよう」と書いたが、現在のシティが優勝しても、「シティが世界一のクラブ」とは誰も信じられないだろう。
シティは、2022-23シーズンのCLで優勝し、その2年前にも決勝に進出しており、さらに世界最高峰のリーグであるプレミアリーグで4連覇していたから、クラブ・ワールドカップが昨年開かれてシティが優勝していたら誰もが納得しただろう。
だが、今シーズンのシティは公式戦5連敗を含めて低迷している。プレミアリーグの優勝争いからはほぼ脱落し、CLのリーグフェーズでも、現在のところ25位。プレーオフ進出圏にも入っていないのだ。
これで、ワールドカップで優勝されても誰もが納得できないのは当然だ。
ちなみに、CLのリーグフェーズの順位表を見ると、1位がリバプール、2位がバルセロナ、3位がアーセナルとなっているが、この3チームはクラブ・ワールドカップには出場しないのである。
今シーズンのCL決勝は5月31日にミュンヘンで行われるが、もしクラブ・ワールドカップに出場しないクラブが優勝した場合、クラブ・ワールドカップはFIFAの目論み通りに盛り上がるのだろうか?