■マンCも「苦戦」することに?

 たとえば、2022年のカタール・ワールドカップで優勝したアルゼンチン、準優勝のフランス。さらに3位決定戦を戦ったクロアチアやモロッコはいずれも選手の輸出国であり、自国以外のクラブでプレーしている選手が多かった。

 従って、ワールドカップでの疲労が、次のシーズンのクラブの戦いに大きく影響することはなかった。

 クラブはワールドカップで最後まで戦ってきた選手に長めのオフを与えることもできる。その他の国籍の選手だけで十分にチームが作れるからだ。ワールドカップで最後まで戦った選手は、疲労を取ってからチームに合流すればいいのだ。

 しかし、クラブ・ワールドカップの場合はどうなるだろうか。

 たとえば、マンチェスター・シティがクラブ・ワールドカップで優勝したとしよう。ジョゼップ・グアルディオラ監督は(同監督が留任したとして)、疲労を溜め込んだ状態の選手ばかりのチームを率いて、準備不足のチームで新シーズンに突入せざるをえないのだ。

 もちろん、いつもの年以上に新加入選手をリクルートすることもできるが、それではチーム作りに時間がかかるし、財政規則違反も取り沙汰されているだけに、シティがどれだけ新加入選手を集められるか分からない。

 ただでさえ、今シーズンは結果が出ずに、プレミアリーグの優勝争いから早くも脱落してしまったシティ。もしもクラブ・ワールドカップで上位に進出してしまったら、立て直しがきわめて難しくなってしまうだろう。

 これは、すべてのクラブに共通する問題だ。クラブにとって最も重要なのは、やはり国内リーグだ。そのことを考えたら、6月から7月に開かれるクラブ・ワールドカップという大会は、競争の激しいリーグに所属しているクラブにとっては非常に難しい大会となるのだ。(3)に続く。

(3)へ続く
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