■もともと「北アメリカ」の一部

 最近この島が話題になったのは、アメリカ大統領選挙で勝ったドナルド・トランプ氏が「アメリカのものとする」と語ったことだった。グリーランドの豊かな資源に目をつけた中国が急速に関係を深めていることへの警戒とともに、今後重要性を増すと予想される北極海の利用や防衛に重要な戦略拠点と考えられているためだ。

 トランプ氏は以前大統領だったときにも「グリーンランドを購入」すると公言しており、彼にとってグリーンランドは長い懸案なのだろう。もちろんデンマークは「売り物ではない」と拒否しているが、住民の投票などでグリーンランドが独立を達成すればアメリカに急接近し、実質的にその一部になってしまう可能性はある。

 そして、グリーンランドが欧州から離れて「北アメリカ」の一部となり、サッカー協会(KAK)がCONCACAFに加盟することがけっしてめちゃくちゃな話でないことは、地球儀(もちろん、Google Earthでもいい)を上から見れば明らかだ。グリーンランドは「大西洋の中央にある島」ではなく、北アメリカ大陸の一部と言っても過言でない位置にあるからだ。海岸線の形を見れば、北アメリカ大陸から分離されたものであることは容易に推察できる。

 もちろん、だからと言ってアメリカのものとするのが正当などとは、絶対に思わない。しかし、サッカーの見地からは、CONMEBOL加盟は決して不自然なことではないのである。(2)に続く。

(2)へ続く
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