■渡邊凌磨のボランチは必然の選択
昨年はペア=マティアス・ヘグモ前監督から交代で再任し、終盤戦を任される形となったが、残留争いに向き合う中で、守備の整備が最優先となった。
そうした流れで、良く悪くもスコルジャ監督が率いる浦和には「守備的なサッカー」というイメージがすっかり染み付いてしまったが、いよいよ真の”スコルジャ浦和”を示すべく、前に踏み出すシーズンとなりそうだ。その浦和にあって、非凡な攻撃センスと抜群の運動量を併せ持つ渡邊のボランチ起用というのはある意味、必然の選択と言えるかもしれない。
ヘグモ監督の指揮下でスタートした昨シーズンは、慣れない左サイドバックでポジションを獲得し、そこからボランチ、サイドハーフで使われる試合もあったが、スコルジャ監督に交替したシーズン後半、特に終盤戦は”10番”と呼ばれるトップ下に定着。得点力不足が叫ばれる中でも、獅子奮迅の働きで6得点5アシストを記録した。
そうした個人の活躍と同時に、人一倍の責任感をピッチ内外で出して、チームを引っ張ろうという姿勢が目に付く選手でもあり、昨年夏に酒井宏樹、岩尾憲、アレクサンダー・ショルツ、伊藤敦樹と言ったリーダー格が抜けた浦和にあって、リーダーシップの面でも大きな期待を背負う一人だ。そんな渡邊が新シーズンに向けて、ボランチでほぼ固定されているのには戦術的な意味、さらにはチームワークとしての意味もありそうだ。