■新潟とC大阪が推し進めるもの
その松橋監督が去り、水戸ホーリーホックのコーチを務めていた樹森大介監督を招聘した新潟、そしてクラブ在籍27年の小菊昭雄監督(現鳥栖)が離れ、アンジェ・ポステコグルー監督の下でコーチを務めていたアーサー・パパス監督を抜擢したセレッソ大阪の2チームは不透明な部分が少なくない。
セレッソの方は畠中槙之介や中島元彦、ラファエル・ハットン、チアゴ・アンドラーデらまずまずの新戦力を補強し、昨季の水準をキープしようとしている分、まだパパス監督もやりやすいだろうが、新潟の方は小島亨介(柏)や長倉幹樹(浦和)ら主力級が流出。松橋監督だからこそ生きたような選手も数多くいて、樹森監督がその路線を継続できるのかどうか気掛かりではある。
もちろんキャンプ期間にしっかりとした意思統一を図れれば、予想外の快進撃を見せることも不可能ではないだろうが、果たしてどうなのか。Jリーグで初めて采配を振るう彼自身にとってはかなり難易度は高いだろうが、最善を尽くし、下位低迷を回避すること。それを推し進めるしかない。
この8チームの動向次第で今季J1の構図は大きく変わってくる。各チームの動きを注視しつつ、全体の流れや展開を見極めていきたいものである。
(取材・文/元川悦子)