代表チーム「最重要試合」は2月22日、南野拓実も阻まれた「世界への扉」、最高成績は小野伸二、稲本潤一ら黄金世代の「準優勝」【2025年サッカー日本代表「3つの試練」】(3)の画像
かつて南野拓実も跳ね返された「世界への壁」が、若き日本代表を待つ。撮影/原壮史(Sony α‐1使用)

 2025年は、サムライブルーやなでしこジャパンにとって大きな目標となる大会はない。だが、サッカージャーナリスト後藤健生は、その先のワールドカップやオリンピックに向けて、いくつかの「試練」を乗り越えるとともに、未来への「布石」を打つべき年だと考えている。

■注目したい「ロス五輪」世代の戦い

 将来への「布石」という意味では、2025年に最も注目されるのが9月から10月にかけて南米チリで開催されるU-20ワールドカップだろう。2028年のロサンゼルス・オリンピックを狙う世代の戦いである。

 ヨーロッパや南米と地理的に隔絶している日本は、世界の強豪国と戦う機会が限られる。もちろん、今では各年代別代表は1年間に何度もヨーロッパなどに遠征する機会が与えられているが、そこで経験できるのは親善試合でしかない。

 これに対して、ヨーロッパや南米の選手たちは、各年代の大陸選手権などで切磋琢磨する機会が多いのだ。

 そうした意味で、年代別のワールドカップは日本の若手選手たちにとって世界の強豪国と真剣勝負をするための貴重な機会となってきた。こうした機会がなかったら、日本が現在のように実力を上げることができなかったかもしれない。年代別の世界選手権はジョアン・アヴェランジェ元FIFA会長によって創設されたものだが、そこから最も大きな利益を得たのは、実は日本だったのかもしれない。

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