■何度も「煮え湯」を飲まされてきた相手
ただ、世界大会の出場権を得るためには、U-20アジアカップ(2月から中国・深センで開催)でベスト4に入る必要がある。つまり、この大会の準々決勝で勝利する必要があるのだ。リーグ戦形式の予選ではなく、一発勝負となる難しさがある。
たとえば、日本は2015年大会の出場権を逃がしたが、これもミャンマーで行われたU-19アジア選手権の準々決勝で北朝鮮にPK戦負けを喫したからだった。日本は延長戦を含めて120分間ゲームを支配し続けたが、北朝鮮のGKのスーパーセーブを連発されて1対1で引き分け、PK戦に突入した。そして最後は、南野拓実がキックに失敗して世界大会進出を阻まれたのだ。
今年のU-20アジアカップの組み合わせを見ると、日本はグループリーグ最終戦で韓国と対戦することになっている。韓国も、これまでアジア予選では何度も煮え湯を飲まされてきた相手だ。ただ、この数年、日本はあらゆる年代で韓国に対しては優位に立っているし、韓国に敗れたとしてもグループリーグ2位以内に入って準々決勝に進出できる可能性は高い。
だが、その準々決勝ではイランまたはウズベキスタンと対戦する可能性が高いのだ。
イランは、最近は若手の育成が進まず、フル代表はメンバーが固定されがちだが、この国がアジアのサッカー強国の一つなのは間違いない。
そして、ウズベキスタンは、まだフル代表のワールドカップ出場経験こそないものの、年代別代表の強化は着実に進んでおり、U-20アジアカップでは2023年大会を開催して同大会で優勝を飾っている。
いずれにしても、世界大会進出がかかった準々決勝では、日本にとって非常に難しい相手との対戦となるはず。2025年の代表チームの試合の中で最も重要な試合とは、実は2月22日に行われるU-20アジアカップ準々決勝なのかもしれない。
いずれにしても、2025年は男女各年代の日本代表にとって将来への「布石」となる年であるようだ。