■チーム作りが「難しい」時代の目標

 日本は、1979年にワールドユース(現、U-20ワールドカップ)に開催国として出場したが、その後はアジア予選を突破できずにいた。そして、Jリーグ発足後の1995年カタール大会に出場(前園真聖や中田英寿が出場)。1999年のナイジェリア大会では、トルシエ監督のチームがFIFA主催の世界大会で初めて決勝に進出し、準優勝という成績を残している。小野伸二、高原直泰、稲本潤一などの黄金世代のチームだ。

 その後、アジア予選で敗れたことは何度かあるが、最近では2017年の韓国大会以来、4大会連続で世界大会に進出している(2023年大会は、新型コロナウイルス感染症の流行のため、開催中止)。今年も、ぜひとも世界大会に参加して経験を積んでほしいものだ。

 また、前回の2025年大会でグループリーグ突破に失敗したように、移動距離の大きい南米大陸で開催された大会では、これまで日本チームは好成績を収められていない。そういう意味でも、今大会は挑戦のしがいのある大会となるだろう。

 ただ、最近はこの年代の選手でも海外移籍する選手が出てきている。たとえば2023年のU-17ワールドカップで4ゴールを決めた高岡伶颯(れんと)も、日章学園を卒業した後にはイングランドのサウサンプトン入団が決まっている。

 そのため、昨年のパリ・オリンピック代表がそうだったように、U-20代表でも年代のすべての選手を自由に招集できない時代になっており、チーム作りとしてはこれまでよりも難しくなっている。しかし、それは日本サッカーが進化しているから起こった問題なのだ。どんな状態でも、世界大会でラウンド16を突破することを目標とすべきだろう。

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