J1サガン鳥栖MF森谷賢太郎が、ひっそりと引退試合を行った。大々的ではないが、温かさに包まれた様子に、ファンから感動の声が上がっている。
毎年避けられないことながら、2024年には多くのプロサッカー選手が引退という道を選んだ。本人や家族など周囲の人々はもちろん、ファンにとっても寂しいことであることは間違いない。
ただし、悪いことばかりではない。引退を惜しまれるということは、それだけ愛されていたという事実の裏返しでもあるからだ。
そうしたことが表出する一例が、引退試合だろう。多くの仲間が賛同して一緒にボールを蹴り、集まったファンの多さが、その選手がどれほど結果だけではなく楽しさを残せたかを表している。
2024年の12月には、多くの名手の引退試合が行われた。川崎フロンターレ一筋でプレーした中村憲剛氏や松井大輔氏らの引退試合に、たくさんのファンが笑い、涙した。
一方、ひっそりと行われながら、多くの人の心を揺さぶる引退試合があった。今季限りでの引退を表明していた鳥栖MF森谷の引退試合だ。
川崎時代の先輩である中村氏のように、大々的に行われたわけではない。だが、その内容は相当にリッチだ。
森谷のSNSでの発表によると、会場はフットサル場であるようだ。他のコートでは一般客とみられる人々もプレーしているが、同じ会場に中村氏、さらにはまだ現役の家長昭博らが写っている。